ニューシングル「cry for the moon」リリースインタビュー!
2021年3月3日、ナイトメアらしい王道ナンバー「cry for the moon」をリリースしてくれた彼ら。今回はメンバー個々に、全収録曲やライブについてじっくり語っていただきました!
YOMI
――ツアーも始まりましたし、シングル「cry for the moon」は、だいぶ体に入ってきた感じですか?
YOMI:そうですね、やっと入ってきました!
――非常に歌いやすい……というか、歌いたくなる楽曲ですよね。
YOMI:今回のシングルは「cry for the moon」だけじゃなく、「B.A.R.K」も「Believing」も、全曲歌いやすいんですよ。
――なるほど! 3曲ともパワフルなサウンドですしね。
YOMI:そうなんです。しかも、咲人の曲(「B.A.R.K」)も、珍しく難しくなかったので(苦笑)。RUKAさんも咲人もNi~yaも、もちろん柩もそうなんですけど、最近はみんな、僕が歌いやすいようなメロディーを作ってくれている感覚があるんですよ。すごくありがたいですね。
――これまでは、結構難しいメロディーの曲もあったと。
YOMI:僕も自分でどこまで上(のキー)が出るのか挑戦したい気持ちもあったんで、以前は難しい音程の曲もあったと思います。最近の曲は自分が得意な音域の中で作ってもらっているのかなって。そう感じたのも、ツアーのリハーサルが始まった時、久々に演奏する昔の曲があったんですね。その中にはテンポの速い曲があって、メンバーみんな「速い速い!」って焦ったんです。でも作った当時はそう感じてなかったんですよ。たぶん「cry for the moon」に入っている曲達のテンポが、今の僕らがいちばん気持ちよく演奏できるものなんじゃないかな。そこは変化してきた部分だと思います。
――さすがにナイトメアとしても長い歴史がありますもんね。
YOMI:あと、個人的に気を付けているのは、自分の歌のクセをできるだけ減らしたいっていう意識があって。その辺って感じたりしませんか?
――逆質問ですか! むしろYOMIさんはストレートに歌われるタイプだと思うんですが、ちょっと気をつけて聴いてみます!
YOMI:そういう部分も感じてもらえたら嬉しいです。“歌い方がちょっと変わったな”とか。
――つまり、スムーズに聴いてもらえるような努力をされているということですね。
YOMI:そうです!
――ところで、3曲目の「Believing」はYOMIさんが歌詞を担当されています。歌詞はどういうイメージで書かれたんですか?
YOMI:Ni~yaが持ってきた曲だったんですけど、最初に仮タイトル(英語)の意味を調べたんですよ。そうしたら釣り糸の商品名だったんです(笑)。で、“どうしようかなぁ~”って悩みまして(苦笑)。最終的にはNi~yaが釣りをしている時に、どういうことを考えているのかなって想像しながら歌詞を書いていきました。
――ええっ! そうだったんですか! 発想を飛ばしましたね!
YOMI:でも、歌詞にはちゃんと“糸”だったり、“手繰り寄せて”っていうワードが入っているので、一応釣りに絡めた言葉は組み込んであるんです。
――言われてみればその通りですね! ただ、その背景はわからなくても、すごくいいメッセージがあると思います。よくよく考えれば、釣りも信じて待つわけですし。
YOMI:まぁ、そうですよね(笑)。
――歌詞の内容についてはNi~yaさんに伝えたんですか?
YOMI:一応伝えてます! 「Ni~yaが釣りしている時のことをイメージして書いたんだよね」って言ったら「あ、そうなの?」みたいな感じだったかなぁ。
――そんなアッサリと(苦笑)。
YOMI:そこは改めてNi~yaに聞いてみてください(笑)。
――聞いてみます! でも、いい話ですね。「cry for the moon」の方はRUKAさんの気持ちがつまった曲ですけど、改めて楽曲についてどう感じてますか?
YOMI:実は僕自身、ナイトメアを組む前は、ROUAGEっていうバンドが好きだったんですよ。で、ROUAGEにも「Cry for the moon」っていう曲があるんですね。僕はタイトルを見て、真っ先にROUAGEの曲を思い浮かべました。
――ほぉ! 懐かしい!
YOMI:なので、ROUAGEの曲に負けないようにっていう気持ちを持って歌ってます。結構、ROUAGEの中では知られている曲ですからね。
――そんな音楽的ルーツのお話が聞けるとは! そして現在は新曲を掲げたツアーも始まっております。ライブへの意気込みを聞かせていただけますか?
YOMI:コロナがまだ収まってはいないですけど、やっぱりライブをやっていた方が、自分自身は精神的に落ち着くというか……。あとは、ファンのみんなもライブに来てくれたことによって、自分と同じように感じてもらえたら嬉しいですね。
――入場者の数には制限がありますが、やはり新曲を直接ライブで聴くことのできるのはありがたいことだと思います。お客さんは声を出せませんが、かわりに拍手が返ってきますよね。そのあたりは慣れました?
YOMI:今ってMC中、みんなの声の反応がないので、話を進めるのが難しいんですよ。スベりやすくなっているというか(苦笑)。なので、拍手とかで反応がくるとめちゃめちゃ嬉しいです。
――やっぱりそうですよね。
YOMI:実は前回のツアーの大阪公演で、若干スベった空気にさせてしまったので(苦笑)。今回はそういうことのないようにしたいです。MCに関しては安全運転でいきたいなと(笑)。ただ、演奏中はヘドバンとか手を挙げたりはOKなんで、そこに関してはこれまでと変わらずにやれていると思いますね。それと、ツアーの最終日がZepp DiverCity TOKYOなんですけど、その日は東日本大震災の起こった3月11日でもあるので、自分達としてもいいライブにしたいですね。
――期待しています。では、最後に、個人的に行っている感染対策を教えてください。
YOMI:実はコロナ禍になるまで、あまり手洗いとかうがいをしてこなかったんですよ。
――えっ!
YOMI:なので、手洗い、うがいをするようになったので、そこはすごく変わりました!結果、風邪を引きにくくなりましたからね。手洗いとかうがいって大事なんだなって改めてわかりました。
――そこはこの先もぜひ続けてください!
柩
――ニューシングルの表題曲「cry for the moon」は、やはり何度聴いてもテンション上がりますね。演奏する側としても、気持ちよくプレイできているのでは?
柩:もちろんですよ! 「cry for the moon」に関しては、演奏していると体がついていきやすいというか、ノリやすい! ライブでも曲を聴かせるだけじゃなく、見せる要素もあってやりやすい曲だと思いますね。
――ライブの絵も浮かびやすい気がします。
柩:以前……誰に言われたのか覚えていないんだけど、「ナイトメアってZeppみたいなライブハウスはもちろん、ホールでのライブもすごく似合うね」って言われたことがあって。だから、今みたいなコロナ禍の中でやっているライブの形があるじゃないですか。会場がライブハウスでも椅子席を出してホールっぽくするスタイル。それでもナイトメアはいつも通りのライブができるバンドなんだなって最近思うんですよ。
――分かる気がします。
柩:それって強みでもあるのかなって。
――スケール感があって、メロディーがきれいな曲が多いからなのかもしれませんね。特に「cry for the moon」には、その強みがよく出ていると思います。
柩:決してライブハウスに似合わない曲っていうわけじゃなくてね。中には完全にライブハウス向きの曲もあればホール向きの曲もあると思う。でも、俺らの曲は、たぶんどっちでもいけるんじゃないかなって。全く意識はしてないんだけどね。
――じっくり聴ける曲を持っているのは大きな強みですね。メロディーのよさが再確認できるというか。
柩:その辺は改めて考えさせられたかな。
――カップリングの「B.A.R.K」は咲人さんの曲ですが、個性的な楽器の音が入っていてインパクトありますね。
柩:あ~、ティンパニーとか? それ、よく言われるんだけど、クラシック音楽の楽器って、今までも使ってきてると思うよ。
――あ、もちろんです! ただ、この曲ではインパクトのある使い方をされているなって。バラードにオーケストラサウンドってありがちですが、激しい曲でバンバン入っているので面白いなぁと。
柩:俺はすんなりと感じたけどね。
――原曲も、ほぼ完成形に近かったそうですが、最初はどんな印象でしたか?
柩:咲人の曲はデモの段階で(曲が)出来上がっていることが多いのね。もちろん、細かい部分を一緒に調整していくこともあるけど、「B.A.R.K」は原形に近い感じだと思う。
――「Believing」はNi~yaさんの原曲ですが、途中で咲人さんが制作に参加されたようですね。
柩:咲人が入って、たぶんメロとコード進行とサビをちょっと変えたんじゃないかな。
――「Believing」はYOMIさんが作詞されてますが、全体的には前向きなメッセージがあって、いい歌詞だなと思いました。
柩:そうだね(笑)。釣りのイメージから作ったみたいだけど(笑)。
――3曲ともパワフルなサウンドですが、柩さん的に思い入れ……というか、弾いていて楽しくなる曲はありますか?
柩:どれかを選ぶのは難しいなぁ。「cry for the monn」だったら、やっぱりサビが気持ちいいし、「B.A.R.K」だったらリフの部分、「Believing」だったら、イントロの間で、簡単なフレーズを弾いているんだけど、それが気持ちよかったりするね。1曲に絞るというよりは、それぞれの曲の一部分で楽しいポイントがあると思う。
――さて、このインタビューが公開される頃にはツアーも始まっているわけですが、セットリストにはかなり久々にライブで披露する曲も含まれているそうですね。
柩:昔の曲ね(苦笑)。リハで久しぶりに演奏したら、ローディーやスタッフから「今の曲、ちょっとグルーヴがなかったよ」って言われて(苦笑)。まぁ、ハッキリ言ってもらった方がありがたいよね。グルーヴがなかったっていうのは、たぶんリズムパターンに対してのノリが合わなかったとからだ思う。お互いさぐりながら演奏していたのもあったし。その後、演奏してみて無事に「OK!」みたいな。
――演奏的に挑戦していた時期の曲というのもあるかも……。
柩:キーも変わっていったりするしね。
――さて、ツアーと平行して引き続き制作も進行しているそうですが。
柩:曲を作っているというよりは、レコーディングが続いている感じかな。ただ、曲はまだまだ揃ってないんだよね(苦笑)。
――そこは楽しみにしておきます。あとは弟バンド(仙台貨物)の状況も気になりますね。
柩:弟バンドね! 結構みんなから待たれているっていうのを感じるよ。ナイトメアは常に動いているけど、弟バンドはホントに何年も動いてないから待ち望まれているんだろうね。羨ましいです(苦笑)。
――シメにご自身でされている感染症対策を教えてください。
柩:うがい手洗いとマスクでしょ? あとは……極力、人のライブには行かないようにしているんだよね。何度かお誘いはあったんだけど、やっぱり人がたくさんいるところには行かないようにしてるかな。
――特に柩さん達みたいに出演される側になると、そこは気をつかうところですよね。
柩:そう。だから全然飲みに行ってないしね。出かけることがあるとすれば、日用品を買いに行く時くらい。
――柩さんには飲み屋によく行くイメージがありましたけど、飲みに行けないことでのストレスはないんですか?
柩:それが、去年からゲーム配信を始めているんだけど結構楽しいんだよね。飲みながらできるんで、外に行くかわりになってるかもしれない。もともとゲームも好きだったしね。以前はひとりでやってるだけだったけど、配信することでファンの子達と一緒に時間を過ごせるのがすごく面白い!
――飲みにかわる楽しみができたんですね。安心しました!(笑)。
咲人
――シングル「cry for the moon」について、改めて今、感じていることは?
咲人:曲調がど真ん中だし、聴く人にとってすんなり入っていける曲になったかなって。
――初めてナイトメアの曲を聴く人にも刺さりそうですね。その一方で、咲人さんが作曲された「B.A.R.K」はクセのあるサウンドが印象的です。
咲人:クセが……あります?(笑)。自分では割と変なことをしてないと思うんだけど……そんなことない?
――いや、なかなか面白かったですよ。もちろん、キャッチーなんですが、バンド編成ではない音を入れてますよね?
咲人:あ、ティンパニーとかブラスとか。
――それもクセがあるなぁと思いまして。
咲人:自分の中では自然だったんですけどね。
――そもそも曲が浮かんだ時からティンパニーの音も鳴っていたんですか?
咲人:う~ん、鳴っていたかもしれない。出だしの部分でティンパニーがクレッシェンドで入るイメージがあって……何かが起こる感じというか。まぁ、いつもシンプルにいこう!と思っても、違う部分が出ちゃうのかな(苦笑)。もしかしたら普通がイヤなのかもしれないね(苦笑)。どこかに“何これ?”って思わせるところを加えたいというか。
――そういう目論見がありましたか(笑)。
咲人:例えばサビが転調して、間奏でもう1回キーが戻るんだけど、そのサビの終わりのコード進行の感じはかなりイレギュラーかもしれないね。歌メロ含めて。
――詳しく聴くと、ますますクセを感じます。
咲人:ライブでは勢いよくやりたいけどね。アタマを振りやすいテンポにはなってると思うよ。
――今回のシングルは3曲どれもライブで盛り上がりそうな曲調なんですよね。
咲人:シングル用の候補曲の中には、もっとゆったりしたテンポのやつがあったんですよ。ミディアムテンポくらいの。でも、それを出すのは今じゃないなって。
――そして、「Believing」にはロック魂というか、熱い部分を感じますね。
咲人:それはもう作曲者(Ni~ya)の人間性が出ているんじゃないですか?(笑)。
――あ、でも途中から咲人さんが制作にも加わっているんですよね?
咲人:そうなんです。でも、俺が手を加えたのって、サビとAメロを変えたぐらいかな。個人的にはこの曲調でもっと伸びる余地があるなと思って。俺の印象では原曲が、まさに「Ni~ya!」って感じだったから、それを少しナイトメアのベールで包んであげる要素を出したって感じ。あとはYOMIが歌いやすいメロディーラインにちょっと変更させてもらいました。
――歌詞はYOMIさんなんですが、仮タイトルから発想が広がった(仮タイトルに使った釣り具メーカー名から釣りに広がった)というのはご存知でしたか?
咲人:他のインタビューで言ってたような気がする。釣りにからめてみたいな。
――面白いですよねぇ。そこに前向きなメッセージを感じますし。
咲人:深く考えてるなぁって思うよね。うまくつなげたというか……。
――3曲ともポジティブなので、ライブで聴くのが楽しみです。
咲人:今回はツアーの本数が少ないから、ちょっとイレギュラーな構成にしたり、久々の曲も入れたりしてます。
――リハーサル中、久しぶりの曲は難しいという感想が多かったんですが。
咲人:そうでしょうねぇ……って、自分も難しいなって思った(苦笑)。セットリストってある程度セオリーがあるじゃないですか。ナイトメアとしてのね。例えば、前半で攻めて中盤で聴かせて、最後でもう1回アゲて……みたいな。それで考えると、ただ暴れて終わるだけのライブはできないじゃない? ご時世的にね。音楽のショーとして、いかに見せていけるかっていうのは考えていきたいと思っていて。なので、今回はあまりライブでやってこなかった曲にも光を当てていきたいと思ってます。
――前回も懐かしい曲をやった瞬間、お客さんから「はぁ~!」って声も出てましたね。
咲人:そういう感情の揺さぶりみたいなことを、ライブで感じてもらえたらいいなと。あとは純粋に楽しんでもらいたいですね。新曲も含めて。
――新曲をライブで聴けるというのは、ホントにありがたいです。ちなみに、アルバムもそろそろ聴きたいところですが……。
咲人:まだまだ曲が足りないかな。もうちょっと時間はかかると思う。
――さて、最後に咲人さん的に行っている感染症対策を教えてください!
咲人:基本は免疫力でしょう。絶対そうだと思うよ。どれだけ空気をキレイにしても、手を消毒しても、体が弱かったら負けちゃうから、免疫力を高める食生活と睡眠が大事じゃない? まぁ、なかなか自分でも実践できていない部分はあるけど、なるべくブロッコリーを食べるようにしているかな。
――ブロッコリーは免疫力を高める食材なわけですね?
咲人:そうそう。あとは、お酒とかカフェインをあまり摂らないようにするとか。ストレスをためない程度に適度にね。
――ストレスは健康によくないみたいです。
咲人:なんだけど、実はストレスもある程度は必要らしいのね。筋トレと一緒で、筋肉にストレスをかけたり、脳細胞にも多少ストレスをかけた方が神経細胞は増えるらしいよ。
――なるほど~! 飲みにいけなくて、ちょっと切ないな……ぐらいのストレスがちょうどいいんでしょうか(苦笑)。
咲人:そうかもしれない(苦笑)。
――あと、意識して食べているのは?
咲人:最近、やたらプロテインを飲んでいる気がする。
――プロテインと免疫力って関係あるんですか?
咲人:プロテインって筋トレしている時に飲むイメージがあるでしょ? 確かにそうなんだけど、俺は栄養バランスを整えるために飲んだりしてるね。単純にヨーグルト味のプロテインがおいしいからだけど(笑)。
――なるほど(笑)。
咲人:でも俺、そのおかげでほとんど病気することがないからね。まぁ、単純に基礎免疫力が高いのかもしれないけど。とはいえ、いい年になってきたし、日々気をつけます!
Ni~ya
――シングル「cry for the moon」の表題曲に触れる前に、Ni~yaさんにはまず、「Believing」についてお話しいただこうかと。この曲、原曲はNi~yaさんだそうですね。
Ni~ya:そうそう。
――メンバー内では仮タイトルが話題になっておりまして(笑)。響きがカッコいい英語だったので何かと思いきや……。
Ni~ya:とある釣り具メーカーが作っている釣り糸の名称という(笑)。
――でも、YOMIさんはそこからイメージを広げて歌詞を書いたそうですよ。
Ni~ya:俺はそういうのも全然いいなと思っていて。自分でもソロ(BULL FIELD)の曲で歌詞を書く時に、何かのお題みたいなものがあれば書きやすくなるからね。発想が膨らむっていうか。だから、YOMIが歌詞を書くキッカケになったのならよかったなって。
――でも、いい歌詞ですよね。
Ni~ya:まぁ、こういう時代だから書けた歌詞なのかもしれないね。それは「cry for the moon」も「B.A.R.K」にも言えると思う。今、ネガティヴな曲って聴きたくないもん(苦笑)。中には聴きたい人もいるかもしれないけど、俺はダメだなぁ。
――「Believing」を作った時、Ni~yaさんも前向きなイメージだったんでしょうか?
Ni~ya:ナイトメアが復活して、制作期間があって、そんな中で“作ってみっか~”ぐらいの感じで作ってたんですよ。最初は、MAN WITH A MISSIONみたいな曲を作りたくて……。
――あ~、イケイケな感じの!
Ni~ya:でも、作っていくうちに、どんどん路線が変わって……。結果的にああいう形になったと。最初は派手さがあって、大きなリズムがあるような曲にしようかと思ったんだけどね。
――最終的には完全にNi~yaさんらしい曲になりましたね。ラストでベースフレーズがちょっと目立つのもカッコいいです。
Ni~ya:あ、曲のケツにね。あの部分は原曲にはなくて、プリプロの時に何となく作ったっていうか。
――他の2曲も勢いのある曲ですし、統一感のあるシングルになりましたね。どの曲もバンド少年少女達の心をくすぐる仕上がりになった気がします。
Ni~ya:「cry for the moon」と「Believing」のベースは割と王道っぽいかもね、実際に弾いたら、結構難しいんだけど。
――それでも、何かバンドに挑戦したくなるサウンドなんだと思いますよ。
Ni~ya:そう言ってもらえると嬉しいですね。ただ、「B.A.R.K」は初心者向けの曲じゃないかも(苦笑)。
――クセがある曲ですよね。咲人さんらしい。
Ni~ya:咲人らしさが出てるね~。展開とかメロディーラインもマニアックで。完成形もほぼデモのままなんだけど、ベースは自分なりにちょっとアレンジしてます。もともと疾走感があってヘヴィーな曲なので、それをもっとイカつい雰囲気になるようにベースの音色は考えました。
――どの曲もライブの絵が見えそうですね。
Ni~ya:「cry for the moon」も含めて、リハーサルではバンドのグルーヴが出せるようになってきたと思う。で、今回のツアーは昔の曲もセットリストに入れてるんで、最初リハで音を出したらこれが難しい!(苦笑)。その時代にハマっていた音とか手クセがあるからね。当時は当たり前に弾けていたのに、いざ時が経ってからバンドで合わせてみると、難しいのよ。俺ら、こんなにややこしいことやってたんだって。いかにして、ひと筋縄でいかないものやってやろうかっていう時期だったんだよね(苦笑)。
――新しい曲をライブで披露する準備の方が難しそう感じてしまいますが、そういうわけではないんですね。
Ni~ya:新曲は今の自分達で作った曲だから、そこは全然大丈夫!
――去年は「ink」もリリースしましたし、新しい曲が増えて、ライブの雰囲気も変わりそうですね。
Ni~ya:確かに。それに、しばらくライブでやっていなかった曲もあるから、“え? それやる?”っていうトリッキーな内容になると思うよ。
――楽しみですね!
Ni~ya:俺個人としてもやりたい曲があるんだよね。果たしてライブでどうなるか……。リハではうまく演奏できていても、実際ステージではどうなるかわからないから。
――ところで昨年、最初の緊急事態宣言の時は、すべての活動が止まって、かなりメンタルがやられた……という風におっしゃってましたが、最近はどんな感じですか?
Ni~ya:だいぶ落ち着いてきたね。1年くらい前は“俺、何のために生きてるんだろう”って……。ホントに日々そんなことを考えてたから。何もできないし、人生であんな気持ちになったのは初めてだったと思うよ。俺、引きこもるとかヒマっていう言葉が嫌いだからさ。やっぱり目的がないと、生きていても面白くないじゃない? しかも、もともとアウトドア派なのに、あまり外に出られなくて、じゃあ家での中で何をしろと。そこはキツかったね。
――最後に、健康のため、感染予防のために気をつけていることはありますか?
Ni~ya:いや~、うがい手洗いくらいですよ(苦笑)。それ以外にやることって……何かある?(笑)。基本的なことを徹底してやっているくらいだな。昔、風邪とかインフルエンザにかかりたくなくて、プラズマクラスターの空気清浄機で、室内を無菌状態にしてたのね。でも、それに慣れすぎると、逆に免疫力が低下する気がして。やっぱり人間って、ある程度菌に触れていないと、ダメらしいね。もちろん、コロナウイルスに関してはまた別な話だけど、ある程度、菌に対する免疫力はつけてないと。あまり気にしすぎるのもよくないと思うよ。
――それ、確かにありますよね。あとは、気持ち的にも後ろ向きになっていると、体調を崩しやすかったり……。
Ni~ya:それに、どんなに気をつけても感染してしまったら、もう“しょうがねぇか!”って思うしかないよね(苦笑)。
――頼もしいいです!
Ni~ya:そんなこと言ってるけど俺、年末に体調を崩した時はマジで焦った(苦笑)。結果、大したことなかったし、笑い話で済んでよかったけどね(笑)。
RUKA
――まず、シングルの表題曲「cry for the moon」についてお聞きします! 昨年前半は緊急事態宣言があって、RUKAさんはなかなか気持ちが制作に向かわなかったと言ってましたよね?
RUKA:そうだね。ただ、横浜アリーナ(2020年2月11日)が終わったあたりから、シングルを出そうって話はあった……のかな? それで曲を作らなきゃなって思ってたんだけど、なかなか仕上がらずっていう。でも、そんなことも言っていられないんで、作り始めたって感じかな。あまり自主的に作り始めた意識じゃなかったかも。
――とはいえ、「cry for the moon」は、こういう時期だからこそ生まれた曲ですよね。
RUKA:曲に関しては俺、“こういう曲を作ろう!”と思って作れないんだよね。狙って作ると全然違う方向にいっちゃうから。例えば、バラードを作ろうと思っても、仕上がってみるとアップテンポだったりね。自分では曲そのものより、歌詞とかメロディーを重要視していると思う。だから今回も、歩きながらリズムだけ考えて、家に帰ってからそれを打ち込んで作りました。
――かなり感覚的な制作方法じゃないですか。
RUKA:うん。あまり考えて作ってないね。たまにカッコいいリズムを聴いた時に、ちょっと参考にしようかなって思うけど。いつも単純にリズムとコードができてから、メロディーを乗せる時にちゃんと考える感じ。たぶん、ギタリストとは作り方が違うと思うね。
――咲人さんとは全然違う手法というか。
RUKA:そうだと思う。
――歌詞には最近の感情がこもっているということですね?
RUKA:それ言ったら、今まで出した全部の曲がそうだと思うよ。その時代だからこそ出てきた言葉だから。確かに去年は、どんどんマイナスの方に引っ張られてたね。だからムリにでもプラスの方に持っていかなきゃいかなくて……。それはしんどかった(苦笑)。
――結果、「cry for the moon」は元気をもらえる曲になったと思います。
RUKA:だったらよかったなって(笑)。やっぱりネガティヴな曲で不安を煽りたくないっていう意識はあるな、すごく。
――怒りの感情は歌詞に出しやすいですけどね。
RUKA:そっちの方が簡単なんだよ。でも、そればかりになるとつまらないよね。
――むしろ今、夢を見たいというか。そもそも「cry for the moon」というタイトルも美しいですし。
RUKA:去年ってホントに昼間、外に出てなくてさ。でも、家にずっといるだけじゃ、気がめいってくるよね。それで、結構夜中に散歩してたの。人がいなくなってからね。そうすると、否が応でも夜空が目に入るから、そこから歌詞を書き始めたと思う。実はタイトルはいちばん最後についたのね。それまでは歌詞が虫食い状態だったんだけど、方向性は決まっていたわけ。で、タイトルはどうしようかと。星とか月に関する言葉を考えてたんだけど、ありきたりだし、“cry for the moon”って、数々の曲のタイトルになってるじゃない? ものすごく使われている言葉なのよ。でも俺、“cry for the moon”のちゃんとした意味を、これまでわかってなくて……。直訳で“月に向かって泣く”ぐらいの意味だろうと思ってたのね。でも実は、ないものねだりっていうか、絶対に届かないものを欲しがる、みたいな意味があるらしくて。改めてその意味を知った時に、すっげぇいい言葉だなと思ったの。だからみんなが使いたがる言葉なんだなって。昔だったら、たくさん使われている言葉はタイトルにしたくなかったと思うけど、今回はむしろストレートでいいなと。それでこのタイトルを選びました。
――そうだったんですね。実は2曲目が「B.A.R.K」だったんで、オジー・オズボーンの「BARK AT THE MOON」(メタル界の名曲)を意識した遊び心があったのかと思ってしまいました(苦笑)。
RUKA:はははは! 昨日、まさにそういう話が出たよ(笑)。
――メタル系の畑では“月”っていうと、狼男が変身するような、ちょっと悪魔的なイメージを浮かべるパターンもありますね。
RUKA:「B.A.R.K」は仮タイトルの頃から「B.A.R.K」だったよ。だから、そっちの発想はなかったね(笑)。
――その「B.A.R.K」ですが、やはりテンポが早くてハードな展開になりましたね。
RUKA:デモの段階でかなり作りこまれていて、出だしのホーンとかティンパニーの音まで全部入っていたのね。完全に完成形が見えていて。だからレコーディングもやりやすかったよ。もう直しナシみたいな(笑)。変えようにも、この状態がいちばんいいっていう感じ。なんせあの最初のホーンのコードがメチャメチャいいよね。カッコいい。
――今回、全曲に言えると思いますが、バンドのカッコよさが際立ってますよね。
RUKA:個人的に「B.A.R.K」は、サビが終わったあとに歌がなくなって、スカっぽいドラムを叩いている部分が好きですね。
――3曲目の「Believing」に関してはいかがですか? こちら、Ni~yaさんと咲人さんの共作になってますね。
RUKA:俺、共作になったのは最近知ったんだけど、原曲を持ってきたのはNi~yaなのね。途中から咲人と共作になってた(苦笑)。変わった部分っていうと、サビなのかな? 仕上がってみたたら洗練された感じがする。
――歌詞はYOMIさんですね。
RUKA:これ、実は仮タイトルは別な言葉で、俺も知らない言葉だったのよ。何か英語で響きがカッコいいなっていう。そうしたらNi~yaから「仮タイトルは釣り具メーカーの釣り糸の名前だよ」って言われて(苦笑)。で、そのあとに、どうやらYOMIは釣りをカッコよくイメージして歌詞を書いたっぽいんだよ。
――そ、そうなんですか?(笑)。いや、だとしたら、そこまで発想を飛ばしたYOMIさん、すごいです(笑)。さて、シングルのリリースとともにツアーも始まりましたね。やっぱり対面でライブをやってもらうのは有り難い!
RUKA:まぁ、来場者の人数とか、いろいろ規制はあるけどね。個人的にはもっと大きい会場でやって、客席を間引いたとしても、来たい人が全部来られるようなライブをやりたいのが本音かな。できることならの話だけど。
――では最後に個人的な感染症対策について聞かせてください。
RUKA:感染症対策?(苦笑)。そもそも家から出ないからねぇ。買い物する時くらいは外に出るけど、帰ってきたらうがい、手洗いするくらい? もうそれ以上はやりようがないと思うよ(笑)。