NIGHTMARE
15th Anniversary Tour Fury & the Beást
2015年12月30日 国立代々木競技場第二体育館
ライブレポート

 12月9日からスタートしたNIGHTMAREの全国ツアー“NIGHTMARE 15th Anniversary Tour Fury & the Beást”。15周年のアニバーサリーイヤーを締めくくるこのツアーは、ファイナル公演が12月30日(@国立代々木競技場第二体育館)、まさに大晦日の前日に開催された。

 年の瀬の空気とツアーファイナルの雰囲気が混ざり合う中、開演を知らせる「This is Halloween」が流れる。その後、ほどなく暗転すると、SEの「Nightmarish reality」に乗ってメンバーがステージに登場。RUKAのドラムカウントを合図に「終わる世界の始まりは奇なり」でライブがスタート。激しさ全開のオープニングチューンに、場内では早くもヘドバンが勃発。続く楽曲も「swallowtail」「UGLY DUCK'S WIIL」と、アグレッシヴな構成。

「今日は2015年……ちゃんとシメようぜ! 飛ばしていくぞ!」と、YOMIもいつになく熱いテンションで煽る。
「ASSaulter」では熱いサウンドに観客が拳で応え、柩や咲人もステージの左右に伸びる細い通路を軽快に移動していく。5曲目には最新シングル「落園」のカップリング「Gotta Get a Ghost」もプレイして最新の音もしっかりアピール。そこから中盤にかけ、まだまだ激しいブロックが続く。「代々木、揺らせ~!」とYOMIが叫び「ドラスティカ」、そして「極上脳震煉獄・弐式」へ。観客が一斉にジャンプして、圧巻の光景が広がっていく。その後、YOMIが2015年を振り返っての感想を口にする。
「ライブがいつもより多いし、みんなに喜んでもらえるようにがんばってきました。充実した1年になったし、感謝の気持ちを伝えるのは大切なんだなって改めて感じました」
 次なるブロックは咲人のアコースティックギターで始まる「Isolation」で押せ押せムードをクールダウン。「SLEEPER」や「落園」など、メロディーが利いたナンバーが続く。こういう切ないメロディー重視の楽曲も彼ららしい味がある。
「愛憎ロンド」で再びアッパーな空気に戻してから、再びMCタイムへ。YOMIは、このライブが“ニコ生”で生中継されていると紹介。柩がカメラに向かって「見てるか~!」と視聴者に挨拶。画面上で楽しんでいる世界中のファンへの挨拶が済むと、ライブは後半戦へ。

「I'm High Roller」でラストスパートの口火を切ると、再び熱気が急上昇。華麗な咲人のギターソロで盛り上がる「ByeBye」、Ni~yaが観客に手拍子を要求する「mimic」などをプレイして、一体感を引き出していく。そして、最近のライブでも鉄板の盛り上げ曲に成長した「Quints」につなげた。メンバーと観客とで合唱するサビの部分の力強さは格別。「Quints」が終わると、ここでYOMIはバックステージへ。ラストはインスト曲の「KENKA DRIVE」。楽器隊だけで繰り広げられるイカツイ楽曲に観客もヒートアップ。ラストは柩、咲人、Ni~yaがステージ中央に集まり、RUKAのドラムをバックに圧巻のパフォーマンスを見せて本編は終了した。

 アンコールでは、ようやく長めのMCタイムが展開。YOMIが各メンバーに2015年がどんな年だったかという質問を投げかける。
「去年よりたくさんライブをやれてイベントにもたくさん出られて充実してました。(抱負は)ここより大きいところでライブしたい。別に大きさがステータスでもないけど、たまには大きいところでやりたいね」(柩)
「ライブをいっぱいやった年。来年は“行ったことのない県ツアー”とかやりたいね。あと海外ツアーもやってみたい」(Ni~ya)
「今年は今まで応援してくれた人に感謝を伝える年にしたかったけど、それでも受け取るものがいっぱいあって。恩返しするつもりが、よりもらってるじゃんって(笑)。単純にうれしいです。でも、もらってばかりじゃダメだし、成長してみんなにフィードバックしていきたい」(咲人)
RUKAは「(また)CDできますかね~」というYOMIの質問に「どうですかね~」と、マイペースな回答で場内をなごませた。

MCのシメはYOMIが感謝の言葉とともに「2016年もがんばるんで、よろしくお願いします!」と決意表明してから曲へ。切ない歌詞とメロディーが印象的な「empty.」、そして「VERMILION.」ではメタリックなテープが発射され、さらに熱狂を引き出す。1回目のアンコールのラスト2曲は「極上脳震煉獄・弌式」と「惰性ブギー」。やはりヘドバンでシメないと彼ららしくない。観客はここぞとばかりに熱いノリで熱狂。そのまま、加熱した観客はWアンコールを要求。ツアーファイナルであり、ワンマンは今年最後ということで、メンバーは再びステージへ。ここではさらにリラックスムードとなり、モンハンデビューを果たしたNi~yaの話題が飛び出す、画面の見方がわからいNi~yaが柩に連絡するという微笑ましいエピソードに、すっかり空気がなごむ。が、ここは締めくくりにもう一発熱くしてもらわないと2015年は終われない。大ラスは「極東乱心天国」でワイルドにツアーファイナルを完走。2015年に加え15周年という節目を無事に乗り切った。

振り返れば、この日はリリースされたばかりの『best tracks 2011-2015 [beást]』からのセレクトが目立つセットリストだった。比較的新しい楽曲が多かったが、それでもすっかり年季が入った楽曲に感じるのは、やはりバンドの成長なのかもしれない。2016年は、さらなるステップアップが見られそうだ。

SET LIST

01.終わる世界の始まりは奇なり
02.swallowtail
03.UGLY DUCK’S WILL
04.ASSaulter
05.Gotta Get a Ghost
06.ドラスティカ
07.極上脳震煉獄・弐式
08.Isolation
09.SLEEPER
10.落園
11.愛憎ロンド
12.I’m High Roller
13.ByeBye
14.mimic
15.Quints
16.KENKA DRIVE

ENCORE1

17.empty.
18.Star Spangled Breaker
19.VERMILLION
20.極上脳震煉獄・弌式
21.惰性ブギー

ENCORE2
22.極東乱心天国

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