ナイトメア通信

最新アルバム『NOX:LUX』完成! メンバーによる徹底解説インタビューが到着!

──ついにニューアルバム『NOX:LUX』がリリースされますね。それにしても待ちました……。

YOMI:7年だっけ?(苦笑)。

咲人:もともとは去年出す予定じゃなかったかな。それが延びて今年になったと思う。

──まぁ、コロナ禍もありましたしね。ちなみに、楽曲制作はいつぐらいから始まっていたんでしょうか?

RUKA:たぶん、復活(2020年)してからだと思う。その前にストックしていた曲はない気がする。

──ではその『NOX:LUX』についてですが、まずは苦労した部分や、感じたことを、個別に伺いたいと思います。まず咲人さんから。

咲人:大変でしたね。個人的にはアルバム2枚が同時進行だったんですよ。もう1枚はSEESAWの作品だったけど、それでも“キツいな~”っていうよりは、作業量が多いだけで、むしろ楽しんで作業できたかなって。前までは最初にリズム隊を録って、ギターを録って、最後にボーカルっていう順番なんだけど、自分のギターが最後まで残っちゃって……。というのも、9割は家でレコーディングしちゃうからね、今は。それでどうしても後まわしになっちゃったから、追い詰められる感じはあった(苦笑)。でも、その甲斐があっていいものができた(笑)。結果、どの曲もすごく満足できるものになったね。

──YOMIさんは?

YOMI:まず、バンドが活動休止した理由っていうのが、自分の声の病気が原因だったんでね。復活してからの音源からずっと意識していたのは、ファンのみんなとか、聴いてくれる人達に“しっかり(喉が)よくなってるんだな”って思ってもらえるアルバムにしたいなってこと。おかげで、“やっぱりよくなったんだね”と感じてもらえる作品になったと思います!

──ご自身でもその手応えはバッチリ感じますか?

YOMI:そうですね。アルバム最後に「Darkness Before Dawn -NOX:LUX ver.-」を入れたんですけど、歌だけ録り直したんですよ。その理由が、この曲って復活した時にレコーディングしたんですけど、その時より喉の状態がすごくよくなっていて、今録り直したらもっといいものになるだろうと思って録り直しさせてもらいました。まぁ、録り直すのってどうなるんだろうって不安はあったんですけど、今回に関してはよりいいものになった気がしますね。

──柩さんは?

柩: 何か、想像していたよりまとまった1枚になったかなって。あ、悪い意味でバラバラっていうことじゃなく、1曲1曲の個性がすごくあるのに、ひとつの作品としてまとまってるなって。映画みたいな起承転結がある流れというか。

──確かに最初にコンセプトがあったんじゃないかと思うような印象すらありますよね、タイトルも含めて。続いてNi~yaさんのご感想は?

Ni~ya: 今まで出してきたアルバムの中でいちばん好きかも。何かね、聴いてて飽きないし、弾いていても楽しい曲ばかりだし、やりがいもあるし、聴き応えのあるアルバムになったと思います。

──特にNi~yaさんと言えばライブのイメージが強いので、実際にアルバムの曲達をライブで演奏するのは待ち遠しいでしょうね。

Ni~ya:ただ……もうちょっとライブのことを考えてアレンジすればよかったなって(苦笑)。楽するわけじゃないけどね。まぁ、敢えてハードルを高めにした方がスキルアップできるんでよかったなと。結果、難しいプレイにはなりましたけどね(苦笑)。

──じゃあ、ツアー直前の今、まだまだ曲と格闘中ですか?

Ni~ya:あ、そのヤマは越えた! みっちりRUKAさんとふたりでスタジオに入って練習したから(苦笑)。3曲くらいやったんだっけ?

RUKA:4曲かな?

Ni~ya:レコーディングの時は感じなかったのに、実際、RUKAさんとふたりで(音を)合わせようとしたらすごく難しかった。

柩:全体的に?

Ni~ya:全体的に……特に「Deadass」が(苦笑)。

RUKA:3曲くらいやろうかって目安でスタジオに入ったんだけど、「Deadass」がヤバ過ぎて、その日はずっと「Deadass」をやってた(苦笑)。

──そんなに!

咲人:まぁ、リズム隊がしっかりしていれば俺らは――。

柩:そうだね。我々は乗っかっていけばいいから(笑)。

RUKA:おいおい!(笑)。

柩:ギターは上モノっていうくらいだからね。

咲人:俺はふたりでスタジオに入っているのを聞いて、頼もしいなと思ったよ。

Ni~ya:RUKAさんとふたりだけでスタジオに入ったのは初めてだったからね。ローディーもナシで自分らでセッティングして。

──では、「Deadass」に苦戦したRUKAさん、アルバムについてのご感想は?

RUKA:まず5年間空いたじゃないですか。バンドの休止で、各々のソロ活動をやってきてね。もちろん、そのあいだにシングルだけじゃなく、ミニアルバムができるぐらいの曲は作っていたんですけど、やっぱりそれだと厚みが出ないんですよ。でも、この『NOX:LUX』はすごく層が厚い作品になったなって感じます。

──しかも、コンセプトは掲げていないにもかかわらず、全体的に筋があるような……。

RUKA:そうですね。

──収録曲の中には歌詞に“闇”とか“光”という言葉もよく見かけます。

RUKA:よくないことかもしれないけど、世界でいろいろ歴史上に残るようなことが起きてしまったじゃないですか。それが何か引き金になっている気もしますね。

──では続いて、それぞれにアルバム収録曲の中から1曲ピックアップして解説をお願いしたいと思います。できればシングルの曲以外で……。

咲人:じゃあ、俺からいきます。アルバムを作る時、オープニングってすごく大事にしていて……。そういう意味では1曲目の「Night Light」ですかね。結構後半の方で作ったかな。暗くないけど、どこかに明るさがあるというか、メジャー感を出したいと思ったんですよ。自分ではそれをうまく表現できたと思います。あと、さっき話題に出た「Deadass」もそうだけど、自分の中での昔っぽさ……昔のビジュアル系だったり、キッズの頃に影響を受けた音楽っていうのを、もう一度キッズの頃の自分に聴かせたいなって。そういう要素が入った曲のひとつになったと思います。

──しかも、曲のタイトルとアルバムタイトルが見事にリンクしているという。

咲人:意味は一緒ですからね。あと、ライブの絵がすごく浮かんだよね。この曲は。ファンの皆さんにも伝わると思ってます。

──あ~、わかります。すごく緊張感がある曲ですよね。ライブのオープニングにはすごくハマりそうな……。

咲人:ライブで“わぁ~!”ってアガる感じの曲を作りたくて。

RUKA:でも、ラストっぽい曲でもあるよね。今までだったらこういう曲がラストにくるっていうイメージがある。

──ではRUKAさんが選ぶ1曲は何でしょうか?

RUKA:「Darkness Before Dawn-NOX:LUX ver.-」! 歌詞を書かせてもらいました。俺は活休以降、割とバラードが好きになって。自分で作るのも好きだしね。でも、バラードで歌詞を書くのは少なかったんです。なので今回、挑戦してみたんですね。個人的にはめちゃくちゃハマったなと思っていて。今でもライブで演奏した時、いちばん好きな曲じゃないかな。前はあまりバラードが好きじゃなかったんだけど。

──年齢を重ねてきたからですかね。深みを出せるものが面白くなってきたというか。

RUKA:あ、そうそう! だと思うよ。そのせいか、最近はシンプルな8ビートも好きかな。

──柩さんはどの曲を?

柩:俺は「シュレーディンガーナイフ」。演奏してて面白いから。まぁ、まだレコーディングでしか弾いてないんだけどね。とにかくクセが強い曲で、普通じゃないというか。俺自身はそういうのが好きなのかもね。1曲の中でガラッと展開が変わるし……。テンポとか転調じゃなく、曲がガラッと変わっちゃうのが面白いよね。

──ライブで演奏した時、お客さんがどう反応するのか気になりますね。

柩:あとはゾジーさんがいかにカッコよくライブで歌うかっていう。

──責任重大ですね!

YOMI:いや~、アルバムの中で1番か2番目くらいに難しかったですね。レコーディングしたのもいちばん最後だったと思う。

咲人:イントロでだまされるからじゃない?

YOMI:ああ(苦笑)。リハーサルを重ねていけば慣れていくと思いますけどね。

咲人:「ink」のサビのズレが出来ているんだから。

柩:そうそう、きっと体で覚えるよ。

YOMI:そうだね!

──続いて……。

Ni~ya:じゃあ俺、「Re:Do」いきますわ! この曲をデモで聴いた時に、俺の中ではアルバムのメイン曲だなって思った。何かいちばんナイトメアらしさが出ていて、ストレートだし、アッパーな曲だし。ただ、デモの時はサビのメロが違ってたんだよね。ギターソロも変更になって、ベースも後から録り直しもあったけど、結果的にすごくよくなった。「Can you do it?」(『majestical parade』収録)のアンサーソング的な雰囲気もあって。咲人がよくまとめたなって。

咲人:ファンってすごいなと思ったのは、この「Re:Do」のタイトルが公表された時かな、“「Can you do it?」と関係ある曲ですか?”って反応が来て。

Ni~ya:お~、鋭い!

──関係はある……んですよね?

咲人:それはどうかね~?(笑)。

Ni~ya:まぁ、今はもう歌詞も世に出ているし、謎が解けてるんじゃない?

──さて、アルバム1曲目が「Night Light」で、その次に「Re:Do」がくると、ライブでも2曲目がこれで一気に爆発するみたいな絵が見えます!

Ni~ya:わかる! 見えるよね! そういうのが……俺は好き(笑)。

──次に……YOMIさんセレクトの1曲がまだですが……。

YOMI:どうしようかな~、迷うな~。あああ~……「Last note」かな?

──まさかのバラードで来ましたか!

YOMI:俺ってパワーで押していく曲が得意なんですけど、最近、押さえて歌う曲が増えてきていて。自分的にはアルバムのツアーでも「Last note」の押さえたよさをうまく表現して、「いいね~」って言ってもらえるように歌うのを目標にしてます。

──そのためには「Last note」の前後にMCは入れられないですね(笑)。

YOMI:そうですね、ここではダメです(苦笑)。

Ni~ya:ここで笑いの神は降臨しないんだ(笑)。

咲人:面白すぎて“これじゃ次の曲いけね~よ!”っていうのがたまにあるよね。

Ni~ya:ある! ワンツアーに1回はあるな!

柩:でも、そういう瞬間、俺は結構好き(笑)。

Ni~ya:俺も!

柩:あれたぶんね、いきづらいのゾジーだけなのよ。楽器隊は切り替えられるのよ。

YOMI:いや、だけど、何のライブか忘れたけど、MCがちょっと変になっちゃって。それで力づくで次の曲にもっていったんだけど、曲が「GIANIZM:RE惡T」だったんで、それもアリだなって思いましたね。

柩:次の曲がアップテンポだったからよかったんだよ。

RUKA:何だっけ、この前、耐えられずにアウトロで笑ったやつ(苦笑)。

YOMI:「真実の花」!(笑)。

柩:その前、何の話をしてたんだっけ?

Ni~ya:俺はずっと引きずってたよ(笑)。だから下向いてたもん、ずっと(苦笑)。

YOMI:なので、セットリストを組む時は「Last note」の位置に気をつけます!

RUKA:アンコール1曲目とかきついよね。

YOMI:きつい!(笑)。

柩:本編で曲と曲ではさむしかないんじゃない?

Ni~ya:もしくはSE明けとか。

RUKA:でもさ、最近は本編で長いMCでもあんまりひどくならないよね?

YOMI:だって僕、本編は気をつけてますから! さすがに。

RUKA:アンコールがなぁ……。

──ひとり1曲解説は一巡しましたが、まだ触れていない曲があるので、ここでもう少々語っていただけますか?

咲人:俺、今回弾いていていちばん楽しい曲が「RAD DREAM」なんだよね。何か彼(=柩)っぽいっていうか。ただノリがいいとかキャッチーっていうんじゃなくてね。

──確かに柩さんっぽいですね。

咲人:こういうイメージみたいな。

──ダークだけどポップっていうイメージですかね。

柩:ハロウィンみたいな?

──はっ……まさにそうですね!

Ni~ya:確かに演奏していて楽しい……けど、最初、リハーサルで合わせ始めた時は不安でしょうがなかった。

咲人:難しいと思う。難易度の高いパズルゲームを解いている感覚というか。

YOMI:次に「レゴリスの墓標」を語っていいですか? さっき、咲人が「昔の感じを意識した」みたいな話をしてたじゃないですか。自分の場合はこの「レゴリス~」にはデモの段階から、そういう印象があって。あと、コーラスも咲人がやっていたりするんで、ライブで演奏するのが楽しみな曲ですね。

柩:じゃあ次、「極上脳震煉獄・弎式」について話していい?

──ぜひ!

柩:やっぱ、きたな!って感じですよね。これ、三拍子が入ってきたりするから、今までのヘドバンの感覚でついてくると、ファンの子達ってどうなるんだろうって。たぶん、みんな器用だから乗ってくれると思うんだけど……。

RUKA:もうさ、曲名に“極める”っていう字があると、心臓が苦しくなる(苦笑)。どんな恐ろしい曲がくるんだろうってね。聴く時、マジで深呼吸してから聴くから。“極”ってつく曲、全部こわいね。

柩:でも、叩く分には今回のは難しくないでしょ?

RUKA:いや~、何て言ったらいいんだろう……三拍子も難しいけど、何かね、自分の後ろの床がどんどんなくなっていく感じ?

柩:ああ~、追いかけられていくような。

RUKA:迫ってくるような感じがすごくあるね。テンポも速いけど、三拍子からまた四拍子に変わるから、考えている時間が一切ないんだよね。

柩:怒涛って感じかな。今後ライブでも代表的な暴れ曲になっていくのかなって気がします。

咲人:“極上”シリーズはこれで終わりかなぁ。まぁ、もしかしたらまた新しい何かが生まれるかもしれないけどね。

──さて、曲解説で残ったのは(シングル以外)あと1曲です。

Ni~ya:じゃあ俺、「ピラニア」いきます! 最初に聴いた印象だとメロディアスでスッと入ってくる感じなんだけど、途中で“何じゃこりゃ”ってなりましたね。これ、どうやって弾いたらいいんだろうって……ベースの話なんですけど。2B(2番のBメロ)で高速スラップが入っていて大変なんですよ。曲が始まった瞬間に変な緊張感が出るっていう。

RUKA:俺、“極上”にそれと同じ感覚がある。

Ni~ya:そういう恐ろしさがある曲です(苦笑)。

柩:スラップはステージでビシッとキメたいよね。

Ni~ya:そうなんだよ。

──そんな緊張感のある曲の前にMCタイムがきたらどうします?

Ni~ya:大丈夫じゃない?

YOMI:うん、いけるいける(笑)。スッと入れる。

──ある意味、ライブは戦いですね!

YOMI:いろんな邪魔が入るから(笑)。

──でも、客席から見ていますと、メンバー同士が楽しそうにからんでいるのは何か嬉しくなります。

柩:余裕がある感じに見えるよね。

RUKA:何かズルいっすよね。俺はずっと客席向いて叩いてるじゃないですか。そこで結構大変なフレーズがあると、集中して演奏しているんですよ。でも、そうするとゾジーがニヤニヤしながら近寄ってきたりしてね(苦笑)。

YOMI:RUKAさんって、全然僕と目を合わせてくれないよね!

RUKA:ファンの子達からも「YOMIさんを見てあげてください」とか言われるんですよ。でも、見てしまったら絶対に演奏止まるから(苦笑)。

──笑いでですか?(笑)。YOMIさん、すごい破壊力ですね(笑)。確かにRUKAさんって、あまりYOMIさんの方を見ないとは思ってました。

RUKA:見たら絶対につられるから(笑)。すごく動じるよね。そういう小競り合いがあるんです(苦笑)。

──ぜひその小競り合いを乗り切ってアルバムツアーをやりきってください! 楽しみにしています!

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