NIGHTMARE「Fall of Eden」
2015年10月28日 中野サンプラザ公演
ライブレポート
この秋、多くのハロウィンのイベント・ライブに出演したり、10月28日にリリースしたニューシングル「落園」のプロモーションなど、多忙なスケジュールをこなしてきたNIGHTMARE。12月からは“NIGHTMARE 15th Anniversary Tour”も控える彼らだが、「落園」のリリース日である10月28日、久々に中野サンプラザでワンマン公演“Fall of Eden”を行った。
開演を知らせるおなじみの曲“This is Halloween”が流れ、満員の観客はステージに意識を集中。曲が終わると場内が暗転し、青白い照明が暗闇を照らしていく。メンバーがひとりずつステージに現れ、スタンバイ。緊張感が漂う中、本編は『CARPE DIEM』の1曲目「Siva」で幕開けとなった。三拍子を取り入れたドラマチックなナンバーで始まり、2曲目以降は「BOYS BE SUSPICIOUS」、「極上脳震煉獄・弌式」など、ハードな楽曲で焚きつけていく。前半から観客によるヘドバンや折りたたみが、とにかく熱い。
「久しぶりに中野サンプラザに戻ってきました。最近イベントが多くて、久々にワンマンするなぁ(笑)。みんなのヘドバン、ヤバかった! 始めからグッときちゃったよね」と、YOMI。前半から“ワンマン=ホーム”の熱いノリに感動したようだ。
続くブロックでは何と、「Dizzy」「mimic」「DIRTY」など、シングル曲を連発。
「全員でいくぞ!」と、YOMIも気合いをぶつければ、観客も拳を上げて反応。中盤では「落園」のカップリング曲「empty.」を初披露。切ないメロディーの楽曲だけに、じっと耳を傾けている観客が多かった。その後は「MASQUERADE」や「惰性ブギー」など、踊れる曲達をプレイ。メンバーも時に笑顔を見せながらお互いにからんだりして、楽しんでいる。
「楽しんでるか? 俺らもすげ~楽しいです!」とYOMI。後半には、「落園」に収録されたもう1曲のカップリング曲「Gotta Get a Ghost」をプレイ。「飛ばしていこうぜ!」と、YOMIはタンバリンを持ち出したのだが、妙にかわいらしく見えてしまうところはYOMIらしい(?)。出たばかりの新曲ゆえ、まだまだ覚えていないファンも多いと思うが、体を揺らせて反応している観客も多い。新曲披露のあとは終盤に向け、激しさは加速していく。
「ドラスティカ」では、「飛べ!」というYOMIの叫びに反応して観客が一斉にジャンプ! 次の「極上脳震煉獄・弐式」でも、荒ぶるノリが展開し、2階席がリアルに揺れるほど。
「すげーいい景色です!」と、パンパンの客席をながめるYOMI。そして、ここで披露されたのが最新シングル「落園」。NIGHTMAREらしい哀愁漂う美しいメロディーがフィーチャーされたナンバーだ。演奏が終わり、場内が拍手で包まれると、その温かい空気を受け、本編ラストの「Morpho」につなげた。『the WORLD ruler』収録の懐かしい楽曲だけに、ここでもジワリとさせられる。新曲と懐かしい楽曲との調和が絶妙なバランスで、聴き応えのある本編となった。
このあとのアンコールでは、メンバーがラフに登場。YOMIは「お前ら、俺がタンバリン持った時、笑ったろう!」と、細かいチェック。いい感じで空気がほぐれていく。咲人は「イベント続きだったから、(ワンマンは)おウチに帰ってきた感じだね。ヘドバン始まった時の一体感すごがった!」と、久々のワンマンを満喫した様子。柩はハロウィン・イベントで、メンバー全員が『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』のジャックに扮したことにふれ、「まさかの5人ジャック(笑)。俺達と弟(仙台貨物)とどっちかわからない」と苦笑い。
そこからはアンコール本番!「HATE」「バックストリートチルドレン」「東京傷年」……と、年季の入った楽曲が続々とプレイされる。ラスト曲「VERMILION.」のエンディングでは、RUKAのまわりにメンバーが集まり、メンバーの絆を感じさせるパフォーマンスでフィニッシュ。これでライブは終了かと思われたが、照明がついても帰ろうとしない観客に、バンドはダブル・アンコールに応えて再登場。Ni~yaは「最高だ!」と、満足げに叫ぶ。YOMIは今後のスケジュールに触れ、「12月30日(国立代々木競技場第二体育館)で、今年最後だと思ってる?」と、気になる発言。ざわつく場内に「12月31日、高田馬場エリアでカウントダウンに参加させてもらいます!」と、衝撃告知!
果たして、チケットを手に入れられるのかどうかは運次第だが、実はこのカウントダウン、メンバーにとってはリベンジなのだと言う。そもそもは2002~20003年へのカウントダウンを行った時、「気がついたらもう12時を過ぎてたの」(YOMI)という、信じられない大失態を演じてしまったのだ。というわけで、次のカウントダウンはバッチリ決めるとのこと。ざわつきの中、YOMIが最後の煽りで一喝。「俺達とひとつになろうぜ、いいな!」
大ラスはメンバー全員のコーラスが圧巻な「Quints」。アルバムのツアーでも、演奏中に熱い感情を覚えたという新しいキラーチューンだ。観客全員飛び跳ねてサビを合唱。バンドと一丸となって曲を作り上げていく。バンドと観客で作っていく“熱”には、やはりグッとくる。12月からのツアーでも、各地でそんな一体感が生まれるはずだ。期待しよう!